「マナー」違う外国人が増える……ホストの国民はどうする?
エスカレーターに乗るとき、関東では右側を、関西では左側を開ける……
日本国内でさえ、「マナー」というものにはこれだけの差があります。
ましてや国が違えば、そこに大きな隔たりが生じるのは当たり前。
でも、そんなことは言っていられません。
あと半年もすれば東京五輪。海外から、たくさんのお客さんがやってきます。
ぼくらはどんな"覚悟"をしておけばいいのでしょうか。
新宿駅での出来事
『withnews』(転載されて『Yahoo!ニュース』にも) にこんな話が載っていました。
ざっくりまとめると
土曜日の新宿駅で、ベビーカーを押したお母さんがエレベーター待ちの列に並んでいた。
そこへ現れた外国人風の「おっちゃん」が、列の前のほうに横入り。
「列に並ぶという文化がない国から来たのだな」と思っているうちにエレベーター到着。
するとおっちゃんは、先に乗り込んだ別の男性を降ろし、代わりにベビーカーの母子をエレベーターに押し込む。
そして自分も乗らず、笑顔で母子を見送ったのだった。
と、いうもの。
外国人っぽいおっちゃんにとって、優先すべきは順番を守ることではなく、ベビーカーの母子が安心して移動できることだったのでしょうね。
ニューヨークでの出来事
続いては、わが家の体験談。
ぼくは一時、ニューヨークに単身赴任していたことがあります。その間、夏休みを利用して妻と娘が遊びに来たときのこと。
ある日、妻子は2人だけで地下鉄に乗りました。それなりに混雑していたので、柱につかまって立っていたそうです(NYの地下鉄につり革はありません)。
すると、そこそこ離れたシートに座っていた若い黒人男性が、つかつかと妻のもとへ近寄ります。
耳にも鼻にもピアス。髪型も特殊。何かに怒っているような怖い顔。
その男性、妻たちを半ば強引に自分の座っていたシートまで連れて行くと、有無を言わさず着席させたそうです。そして自分は、素知らぬ顔で去って行きました。
当時娘は小学1年生。アメリカ人からは、たぶん4~5歳の幼児に見えたでしょう。
鼻ピアス君はウチの妻と子を、保護してやるべき対象と認識したのです。
マナーにもお国柄がある
2つの出来事から見えてくるのは
「幼い子(と母親)は、何を差し置いても優先される」
のがある種のマナーだと考える人が、日本国外には一定数いるということです。
多少無茶なことをしても、です。
日本ではこれ、「絶対」かというと微妙なところでしょうね。
特に新宿駅のケースでは、列に横入りして、前のほうに並んでいた別の男性を追い出してしまっています。その点については、ウィズニュースによれば批判の声もあるということです。
これからオリンピック・パラリンピックもあり、街は外国人に満ち溢れることでしょう。きっと、マナーや文化の違いを目の当たりにすることも増えます。
そんなときどうするか。
ぼくは、無理に外国人側へ合わせるのではなく、基本的には日本のマナーを優先していればいいと考えています。
だって、たとえば東南アジアの一部の国へ出かけたら、いくら可愛いと思っても子どもの頭は撫でないとか、訪問先のマナーは守るでしょ。あれと同じ。
「郷に入っては郷に従え」とか
「ローマではローマ人のようにせよ」とか、
東洋でも西洋でも同じことを言いますもんね、昔から。
ただし、
「違うマナーや文化を背景に持つ人が、世界には大勢いる」
ということは、頭の片隅に入れておくべし。
「ホスト」としては、そんな大らかさも大切ですよね。
それに、そう思っていないと、相手の振る舞いにイライラしちゃうかもしれない。
それはそれとして。
ベビーカーを押したお母さんがいたら、そこは目を配りましょう。
マナー云々ではなく、思いやりの問題。
外国人だったら「メイ・アイ・ヘルプ・ユー?」と声をかければOKです。
次回の『小骨チェーサー』も、ぜひ読みにいらしてください。