小骨チェーサー

世の中を斜めから、でも前向きな目線で見るブログ

時差が気になる……海外旅行? いえ、ニュースの話です

【これ知ってるとニュース通】

世界中いたるところに、スマホなどで撮影された映像があり
世界中いたるところに、日本人がいて活躍する時代。
世界中いたるところのニュースが、 まさに日本で起きたかのように伝えられるわけですが、 とはいえ地球は広い。
「時差」はどうしようもありません。
これ、報じる側にとっては意外と面倒な問題なんです。

 

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「日本時間」と「現地時間」

朝7時の情報番組で、MCがこう言いました。


きょうエンゼルスタジアムで行われるゲームに、 大谷翔平選手の出場が予想されています」

 

厳密にはこれ、ヘンと言えばヘン。


その試合は、 日本時間の午前11時にプレーボールだったりすることが多い。 現地時間だと、前日の午後7時です( MLBの開催シーズンは夏時間)。
つまり……「きょう」じゃないんですね。


海外発のニュース原稿を書く時、 結構悩ましいのがこうした時差の問題。
日本時間で見れば「きょう」のニュースでも、 現場が欧米だったりすると、日付としてはたいてい「きのう」 起きたことなんです。


ここで書き手としては、二者択一を迫られます。
「日本時間」で行くか。
「現地時間」で書くか。


普通は「現在進行形感」を出したいから前者を採用し、

「大谷選手の試合は、日本時間の午前11時に始まります」

などとしています。

でも、いちいち「日本時間の」 と但し書きを付けなければならず、 まだるっこしいことこの上ない。 文章のリズムもテンポも乱れます。

 

「プラスマイナス4時間」のライン

では、

「時差のあるところの話はすべて、『きょう』 などとは言わないのか」
というと、何事にも例外はあります。


たとえば、中国。日本との時差はわずか1時間。
首脳会談が北京の午後7時に始まるとしたら、 それは日本の午後8時。「感覚」 としてはあまり変わりませんよね。これはさすがに「きょう夜」 と言いたい。


ということで各メディア、だいたい数時間くらいまでの時差なら、 「日本時間と同じくくり」の扱いにしているようです。


ある放送局は、「日本との時差がプラスマイナス4時間以内」 がボーダーラインになっていると聞きました。
「プラス4時間」の場所は地球上にありませんが、「 マイナス4時間」と言えばパキスタン。これなら、 中近東以外のアジアの国々はマルッと入りますね。

 

「気にしない」という手も


紙面を見る限り、 新聞は時差をあまり気にしていない雰囲気。 日本時間のその日に起きることなら、「きょう予定されている×× 」などと書いているように見受けられます。

当該の記事を、 その日24時間内のどの時間帯に読んでもらえるかわからないからかな。


またテレビでも、 MCのうまさで定評のあるタレントさんの中には、 時差などいっさい考えず、 何もかも日本時間で通しちゃっている方もいます。


……なんてことを頭の片隅に、 ニュースを見たり読んだりするのも面白いでしょ?