ラグビーW杯に『英国』がない経緯を探り 世界の奥深さを知る
ラグビー日本代表の大活躍には、1ヵ月間、ほんと熱狂させられました。
開催国の名に恥じぬ、堂々のベスト8入り。
準々決勝は「“惜しくも”南アに敗れる」みたいな報道ぶりも見受けられたけど、それは優勝2回の強豪に対して失礼でしょう。
1次リーグで急成長した日本の力を認め、しっかり研究してきたように見えました。南アフリカが勝つべくして勝った印象です。
いや~、それにしても、世界の壁は厚い!
ラグビーW杯に『イギリス』チームなし
日曜の夕方、テレビにはラグビー中継。娘が聞きます。
「ねえパパ、ウェールズってどこ?」
ここだよ。
そう、ラグビーのW杯には『イギリス』を構成する4つの『国』……
イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランド(アイルランドとの統一チーム)がそれぞれ出場しているのはご承知の通り。
「ラグビー発祥の地としての伝統から、4ヵ国が別々に参加」などと言われますが、これはやや舌足らずな説明。
W杯を主催する国際競技連盟の『ワールドラグビー』は、元をたどれば、アイルランド・スコットランド・ウェールズ(後からイングランドも参加)で作った評議会が始まり。
そのまま現在も4ヵ国は、ワールドラグビーには別々に加盟しているから、W杯にも別々に出てくる、というわけです。
ということは、たとえば、横浜市は由緒ある「日本のラグビー発祥地」なので
横浜市ラグビーフットボール協会がワールドラグビーに独自申請することも、理屈の上では可能なはず。
そして予選を勝ち抜くなどすれば、W杯にだって出られる……のかな?
それはともかく、ワールドラグビーの『Member Unions』は現在117。
『国家』でなく『地域』での加盟は、ほかに香港やグアムなどがあります。
調子に乗って、さらに調べてみました。
ラグビー以外の競技団体はどうなっているんだろう?
世界に『国』はいくつ?
ここで大前提として、世界の「国の数」をおさらい。
まず、国連に入っている国が193。そして外務省のホームページによると、国連未加盟のバチカン・コソボ・クック諸島・ニウエ(南太平洋の島国)を加えた196ヵ国を、日本は『国家』として承認(日本自身を含む)しているそうです。
あれ、計算が合わないぞ。
これは、国連の加盟国でありながら、日本政府が国家として認めていないところが1つだけあるからです。
さて、ど~こだ? おわかりですよね。
正解は……そうです、北朝鮮。
そういえば昔のパスポートには英語で
「この査証は北朝鮮以外のすべての国で有効」
なんて書かれていましたよね。
いずれにせよ、世界には200弱の国家があるということです。
IOCとFIFAに加盟しているのは?
で、本題に戻り……ぼくが調べたのは、オリンピック=IOCと、サッカー=FIFAへの、各「国と地域」の加盟具合。
IOCが承認している国と地域のオリンピック委員会は206。
そしてFIFAにいたっては、なんと211。「加盟国数世界一の国際機関」なんだそうです。
IOCとFIFAの両方に加盟している『地域』は、香港やグアムのほか、台湾、パレスチナ、米領ヴァージン諸島、英領ヴァージン諸島などなど。
FIFAについては、イギリスにルーツを持つサッカーらしく、ラグビーと似た経緯で、例のイングランドなど4ヵ国がそれぞれ加盟(アイルランドと北アイルランドも、別々に加盟)。また、ジブラルタルやアンギラなど、イギリスの海外領土も独自でFIFAの傘下に入っています。
『アルバ』とは?
……と、ここまで調べたところで、ぼくがふと気になったのは、IOCにもFIFAにも名を連ねる『アルバ(アルーバとも)』 というところ。
カリブ海に浮かぶ島国で、オランダ王国を構成する、れっきとした『国』だということです。
https://www.orandatowatashi.nl/about/yottsu-no-kuni
旅行業界の方には常識なのかもしれませんが、個人的には初耳でした。
リゾート地として特にアメリカからの人気が高く、
「カリブ海のラスベガス」
と呼ばれているそうです。
そしてなにより、オランダは『連合王国』だということも、今回初めて知りました。
というわけできょうの考察は、