受験産業が「早慶目指すなら高校で狙え」と説く納得の理由
先日、ある受験のプロにお話をうかがう機会があり、そこで興味深いことをお聞きしました。
「早稲田大学・慶応義塾大学を目指すのなら、高校受験で狙うのがベスト」
というのが、受験関係者の定説なんだそうです。
ワケを聞いて、納得しました。
※首都圏在住の受験生だけに当てはまる話なのかもしれませんが、ほかの地方の方も、ぜひ参考にしてください。
最難関大学の代名詞・早慶
早稲田大学・慶応義塾大学と言えば、日本の私立大学の中でも最難関にして、人気も抜群。予備校や塾の広告にも
「早大××名合格! 慶大●●名合格!」
なんて文言が、ひときわ目立つ場所で踊っていたりします。
早大も慶大も、付属・系属の中学や高校がいくつかあり、その生徒は、基本的には最高学府までエスカレーター式に進めるような制度になっているようです。
つまり、もしここにPちゃんという子がいて、早慶の大学に入るのが最終目標だとしたら
- 中学で入学する
- 高校で入学する
- 大学で入学する
の3パターンがあるわけですが、受験のプロに言わせれば
2. 高校で入学する
のがベストだということですね。
1と3とは、どう違うのでしょうか。
※「幼稚園から」「小学校から」という選択肢ももちろんあるのかもしれませんが、今回うかがった中では出てこなかったので、本稿では割愛します。
中学受験の場合
各小学校には、本命は国立大の付属中学校だとか、開成・麻布・桜蔭・女子学院などの合格を目指すという、優秀な児童たちがいたりします。
この、第一志望校に失敗したら早慶も検討しようと考える、各学校を合計するとそれなりの数に上る“超A級”児童たちがPちゃんのライバル。
小学生の優等生は大人の言うことを素直に聞いて、まじめに勉強しますからね。Pちゃんは厳しい戦いを強いられます。
大学受験の場合
Pちゃん改め、18歳になったPさん。今度対戦するのは、全国各地の優秀な生徒たち。
しかも現役生のみならず、浪人生も相手にしなければなりません。
各地の早慶志望の受験生たちは、たとえどんなに優秀でも、自宅の近くに付属校・系属校がなければ、中学・高校で狙うのはあきらめざるをえませんでした。
でも今度はもう大人。合格したら上京できます。こういう生徒たちが満を持して挑むわけです。
加えて、中学・高校時代を国立校や難関私立校で過ごしていた、あの"超A級"の生徒たちの一部が、手ぐすね引いて参戦します。
前門の虎、後門の狼。Pさんにとっては、これまた厳しい戦いが予想されますね。
消去法で…
というわけで、早慶を狙うなら
- 国立大付属の中学や、私立難関校に行った超A級の子たちが不在で
- 越境して狙ってくる、全国各地の優秀な現役生・浪人生もいない
高校で受験するのが、ごくわずかだけどハードルが低い、ということになるんですね。
もっとも、そこは比較の問題。
普通の学力、普通の勉強法では、早慶の高校受験にはまるで歯が立たない。
言うまでもないことですが。