「コロナで解雇」と言われたら…これだけは覚えておこう
ウイルスばかりか
「不況」までまき散らしまくっている、今回のコロナショック。
そこで、「備えあれば患いなしだな」と思い
コロナが理由のリストラに、どう対処すればよいか
というのを調べてみました。
なお、「正社員の従業員」を基準にしています。
参考資料
本稿は下記2点を参考にしました。
- 新型コロナウイルス感染症に関する労働問題Q&A(Ver.1) 日本労働弁護団
http://roudou-bengodan.org/wpRB/wp-content/uploads/2020/03/ffcb7d78715148a4e9c751f2b813230a.pdf
- 新型コロナによるリストラは泣き寝入りもやむなし?~労働者が取り得る選択肢とは~ 嶋崎量弁護士
どちらも、法律の素人にもすごくわかりやすく書かれています。
ただ前者は50ページ、後者も約6500字と長く、すべてを頭に入れるのは大変。
今回は「コロナでリストラを言い渡される席」を想定しているので、
その非常時、最低限覚えておきたいこと
に絞ります。
このご時世、いつも頭の片隅に置いておきましょう。
その場へ行く前に
上司やその上司から、ただならぬ雰囲気で、他人のいない部屋へ呼び出された……
パニくりそうになりますが、冷静に。後で触れますが、このケース、労働者側は意外にもかなり立場が強いようなので、冷静に。
落ち着いたら、その部屋へ行く前にぜひすべきは、
録音の準備
スマホにデフォルトで入っているアプリなどで、たぶん十分。
ただし今のうちに、使い方には慣れておきましょう。
簡単にはクビにできない
その席へ行ったら上司から
「コロナ拡大の影響で業績が悪化している。申し訳ないが辞めてほしい」
と言われたとして、話を進めることにします。
でも、上記「1」の資料には、太字でこう書かれているんです。
こういった解雇は簡単にはできません。
終身雇用が一般的だった日本では、労働者に責任のない、経営上の理由によるクビ(「整理解雇」と言います)は、会社側に相当高いハードルを課しているそうです。
詳しくはリンク先を読んでほしいのですが、整理解雇をする場合会社側は、
「解雇を避けるための努力を尽くす」こととか
「事前に解雇者へ説明や協議を尽くす」ことなどが必要。
それがないのなら争う余地大あり。
堂々と抵抗するべし。
解雇は「30日以上前の告知」が必要
労働基準法上は「いきなりクビ」というのはありえず、会社側は30日以上前に労働者へ告知しなければなりません。
だから普通は、「来月末で辞めてもらう」みたいな言い方になるんでしょうか。
いずれにしてもここはOKせず(もともと辞めたかったのなら別ですが)、上司その他に「自分をクビにする理由」を話させ、それをしっかり
録音するか、または文書にしてもらうことが重要。
もちろん、後で弁護士さんに相談するなどして、「解雇は無効」と主張するときの証拠にするためです。
会社への「抵抗材料」
2つ目の資料の筆者、嶋崎量弁護士はこう書いています。
少なくとも、使用者は、現行の労働法令が使用者による安易な解雇は許さないことを把握して労働者を雇用して、労働者の労働力を利用して利益を上げてきたのです。経済危機だからと言って安易な解雇で使い捨てが許されるのでは、あまりに虫が良い話です。
つまり、こういう話ですよね。
- 労働者を"斬る"前に、役員側も報酬の減額などしたのか
- 内部留保はすでに切り崩したのか
このあたりが反論材料になりそうです。実際口にするかどうかは別として。
それともう1つ。こういうときこそ、普段はちっとも当てにならない日本政府に味方となってもらいましょう。
厚生労働省が4月1日から6月30日まで、期間限定の特例措置としている
「新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金」。詳しくは⇩
制度の骨子は
労働者を「解雇」せず「休業」させれば、国が、中小企業にはかかったお金の90%を、大企業には75%を出す
ということです。
だから「辞めてほしい」と言われたら
休業ではダメなんですか
と交渉してみるのが良さそうです。
クビにはされずとも……
ところで解雇通告を拒否したとき、次に会社側がやりそうなのは
職場にいづらくして、自己退職させる
という手段。一時ニュースにもなった、大企業の「追い出し部屋」のような状態に持ち込む形でしょうか。
こうしたケースでは、弁護士さんたちのアドバイスはこうです。
意地でも食らいつけ
ご存知の方も多いと思いますが、「自己都合で退職」すると、失業保険がすぐにはもらえないなど、いろいろな不都合があります。
前述の通り、「コロナ解雇」だったら(労働者に落ち度がなければ)強いのは労働者側です。それを拠り所にとにかく歯を食いしばり、
「退職届」を書くことだけは避けましょう。
相談先
上記「1」の、日本労働弁護団の資料に載っていた一覧です。
- 日本労働弁護団 03-3251-5363/5364(土曜は使用不可)
月・火・木 15:00~18:00 土 13:00~16:00 - 連合(全国の相談窓口) 0120-154-052
- 全労連(近くの労働相談センター) 0120-378-060
- 全労協(近くの相談所) 0120-501-581
- 地域ユニオン……近くの連絡先を検索
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