「アーバンイノシシ」出現!どう対処?……有効策は「傘を開く」だ
この1週間、ニュースや情報番組をにぎやかした話題の1つに
アーバンイノシシ
というのがあります。東京都国立市や立川市の住宅街で"猪突猛進"している映像が、テレビで何度も流れました。
ということは、山沿いにお住まいの方はもちろん、町中に住んでいても、イノシシに気を付けなければいけなくなったということです。
そこで今回は、アーバンイノシシに出くわしちゃったときの対処法を調べてみました。
有効な対抗策は、「傘」だそうです。
出現の理由は「山に食べ物がなくなったから」
「都会に野生動物が出没」となると、イノシシでなくても、たいてい大きな話題になります。
報道の世界で長く働いてきたぼくも、サルやらクマやらハクビシンやらが「町に出た!」と言っては、現場へ取材に行ったり、専門家のお話を聞いたりする機会がありました。
野生の動物は本来臆病で、人間の密集地になんか行きたくないはず。
なのに出てきてしまう理由は、動物の種類を問わずいつも同じ。どの専門家も
山に食べ物がなくなったから
と言います。今回のイノシシについても都の猟友会の方が、「秋に2度台風が来て生息地の川が氾濫し、エサが減少したのでは」と、朝日新聞の取材に答えていました。
そして一度でも市街地の食べ物の味を覚えてしまうと、もうやめられなくなる。
「麻薬のようなもの」
という、兵庫県立大学・横山真弓教授の分析が、過去いくつもの記事に載っています。市街地にすごく近い『六甲山』という山のある神戸の大学教授だけに、イノシシの生態研究については第一人者なんですね。
そしてそして。
小さいころから人間の出すゴミなどを食べて育つと、イノシシも「メタボ」になるといいます。
身体が大きくなり、土を掘らなくなるから、キバも長くなる。
危険度アップです。
遭遇したらどうすればいい?
いろいろググってみましたが、イノシシと遭遇したときの緊急対処法は、だいたい以下のようなもの。
- 興奮させない……棒で威嚇したりせず、向こうから去るのを待つ
- 背中を見せない……イノシシを見たまま後ずさりし、物陰に隠れる
- 高いところに登る……イノシシは高くジャンプできない
それとイノシシには
「見通せないところがあると、そこから先には突っ込まない」
という習性があるということです。つまり、こちらが見えなくなればいい。
ということで
- 傘を持っていたら、イノシシに向かって開いて、その裏に隠れる
- ジャケットなどを脱いで、イノシシの顔にかける
なども攻撃をかわす有効な手段だ、と答えている識者の方もいました。
「アーバンイノシシ」と名付けたのは?
それにしても「アーバンイノシシ」ってネーミング、風変わりと言えば風変わり。
英語+日本語ですからね。「デッドボール」を「デッド球」と言っているようなもんです。
「イノシシ」は英語で"boar"だけど、耳慣れないから日本語のままにしちゃったんでしょうか。"bear"(熊)と間違えそうだし。
まあ、和語でも漢語でも外来語でも、全部ドッキングさせちゃうのは日本語の得意技。
「アイドル歌手」とか「サラダ油」とか「タクシー乗り場」とか、いくらでも例はあるから、そのうち「アーバンイノシシ」も、耳に馴染んじゃうかもしれません。
言い出しっぺはたぶんネット民だと思います。メディアが名付け親ならおそらく「都市イノシシ」とかになっていたんじゃないでしょうか。