"YouTuber"がトップに!小学男子の「つきたい職業」…30年前の人気は?
「遂に不動の1位を追い抜」いたのだそうです。
学研教育総合研究所が先日公開した、小学生の「将来つきたい職業ランキング」。
「ユーチューバー」がついに、男子の1位となりました。
「憧れの職業」調査はある意味、”時代を映す鏡”。
30年前は、なんと「会社勤め」だって大人気だったんですよ。
初登場から4年目で“頂点”へ
同様のアンケートはいろんな企業・団体が年間通じて行っていますが、今回公表されたのは、教育産業で知られる『学研ホールディングス』が実施したもの。
この8月、全国の小学生1200人(各学年男女100人ずつ)に答えてもらい、『小学生白書』として集計・公表しました。
「1ヵ月の読書量」とか「ネット投稿の経験」とか、いろいろ尋ねていて、めちゃくちゃ濃い内容です。
質問の1つが「将来つきたいと思っている職業は何ですか」
53種類の職業の中から1つだけ選ぶ方式です。
全体のトップ10はこちら。
とはいえ、当然「男子には大人気でも、女子だと全然」(逆も)という職業もあるので、男女別のランキングを見てみましょう。
2019年男子トップ10
- 1位 YouTuberなど
- 2位 プロサッカー選手
- 3位 プロ野球選手
- 4位 運転士
- 5位 警察官
- 6位 医師
- 7位 会社員
- 8位 研究者(科学者・考古学者など)
- 9位 エンジニア・技術者
- 10位 公務員
学研によると、「ユーチューバー」は2016年の調査で初登場。2010年から1位をキープしてきた「プロサッカー選手」を、とうとう逆転したそうです。
この結果、皆さんどうお思いですか?
「やっぱり時代だなあ」と感心する方、「当たるか当たらないかわからない仕事なんてねえ」と眉をひそめる方、それぞれだと思いますが、ぼくが気付いたのは次のこと。
男子のランキング、下のほうを見ると「芸能人(俳優、お笑い芸人など)」があって、それが18位。さらに「アナウンサー」「歌手・アイドル」となると、もっと下位です。
つまり男子小学生から見ると、
「テレビに出ている人」より、
「ネットに出ている人」のほうが価値が高い
ということですね(もちろん、かぶっている人も多いですが)。
ここで思うのは……
テレビ界、この先大丈夫か?
もっとも、M-1グランプリが放送された今週調査していたら、また違った結果だった可能性はありますね。
女の子の憧れは「パティシエ」が断トツ
続いて女子のランキング。
2019年女子トップ10
- 1位 パティシエ
- 2位 保育士・幼稚園教諭
- 3位 看護師
- 4位 医師
- 5位 花屋
- 5位 ファッション関係(同数)
- 7位 パン屋
- 8位 漫画家・イラストレーター
- 9位 動物園の飼育係
- 9位 歌手・アイドル(同数)
「パティシエ」を挙げた女子は、なんと全体の11.3%。女の子の10人に1人がなりたがっているんです(男子のユーチューバーは5.8%)。この大人気、2001年からずっと続いているといいます。
ちなみに女子だと、ユーチューバーの順位は16位タイ。
突出して人気がある感じではありません。
30年前は「サラリーマン」も"人気の職業"
今回の公表のオマケとして学研は、ちょうど30年前(平成が始まった年です)の調査を再掲しています(調査母数などが違うため、「厳密な比較は難しい」と但し書きがあります)。
1989年の小学生がつきたい(つきたかった)職業。
1989年男子トップ10
1989年女子トップ10
- 1位 保育士・幼稚園教諭
- 2位 小・中・高校の先生
- 3位 看護師
- 4位 歌手
- 5位 ファッションデザイナー
- 6位 一般女子事務員
- 7位 音楽家
- 8位 美容師・理容師
- 9位 商店経営
- 10位 まんが家
「一般サラリーマン」や「一般女子事務員」(なんちゅう表現だ!)のランクインについて学研は、背景に当時の
「バブル経済」
を推測しています。「普通の会社勤め」でも”カッコ良かった”ということです。
そうだったのか~
なお当時はユーチューブはおろか、インターネットすら一般的ではありませんでした。
「公務員」になりたい理由
30年前も今年も、しっかりトップ10入りしている職業の1つ「公務員」。
でもこれ、子どもの憧れとしては、ちょっと違和感ありますよね。
「パティシエになって、おいしいケーキをみんなに食べさせてあげたい」
「ユーチューバーとしてみんなの注目を集めたい」
というのは納得するんですけど
「公務員として、役場の窓口で、市民の皆さんをお待たせしないようにしたい」
なんて、子どもは普通思わないよなあ。「官僚(国家公務員)」ってことか?
まあ、皆さんも想像していると思いますが、これはたぶん親御さんの影響。
「安定している職業だから、将来は公務員になりなさい」みたいに普段言われている子が、素直にそう回答しているんでしょうね。
「身分」より「仕事内容」に憧れようぜ、子どもたち。
そういうのが大人になって、「公務員という身分」を優先するから、「天下った先輩に情報を漏らす」なんてことをしちゃうんですよね(前総務次官のことです)。