小骨チェーサー

世の中を斜めから、でも前向きな目線で見るブログ

"YouTuber"がトップに!小学男子の「つきたい職業」…30年前の人気は?

「遂に不動の1位を追い抜」いたのだそうです。

学研教育総合研究所が先日公開した、小学生の「将来つきたい職業ランキング」。

「ユーチューバー」がついに、男子の1位となりました。

 

「憧れの職業」調査はある意味、”時代を映す鏡”

30年前は、なんと「会社勤め」だって大人気だったんですよ。

 

f:id:Kobone:20191226111530j:plain

写真ACより

 

初登場から4年目で“頂点”へ

同様のアンケートはいろんな企業・団体が年間通じて行っていますが、今回公表されたのは、教育産業で知られる『学研ホールディングス』が実施したもの。

この8月、全国の小学生1200人(各学年男女100人ずつ)に答えてもらい、『小学生白書』として集計・公表しました。

「1ヵ月の読書量」とか「ネット投稿の経験」とか、いろいろ尋ねていて、めちゃくちゃ濃い内容です。
 
質問の1つが「将来つきたいと思っている職業は何ですか」
53種類の職業の中から1つだけ選ぶ方式です。
 
全体のトップ10はこちら。
  • 1位  パティシエ(ケーキ屋)
  • 2位  YouTuberなどのネット配信者
  • 3位  医師(歯科医師含む)
  • 4位  プロサッカー選手
  • 5位  プロ野球選手
  • 6位  保育士・幼稚園教諭
  • 7位  運転士
  • 8位  看護師
  • 8位  警察官(同数)
  • 10位  パン屋
 
とはいえ、当然「男子には大人気でも、女子だと全然」(逆も)という職業もあるので、男女別のランキングを見てみましょう。
 
2019年男子トップ10 
  • 1位  YouTuberなど
  • 2位  プロサッカー選手
  • 3位  プロ野球選手
  • 4位  運転士
  • 5位  警察官
  • 6位  医師
  • 7位  会社員
  • 8位  研究者(科学者・考古学者など)
  • 9位  エンジニア・技術者
  • 10位  公務員
学研によると、「ユーチューバー」は2016年の調査で初登場。2010年から1位をキープしてきた「プロサッカー選手」を、とうとう逆転したそうです。
 
この結果、皆さんどうお思いですか?
「やっぱり時代だなあ」と感心する方、「当たるか当たらないかわからない仕事なんてねえ」と眉をひそめる方、それぞれだと思いますが、ぼくが気付いたのは次のこと。
 
男子のランキング、下のほうを見ると「芸能人(俳優、お笑い芸人など)」があって、それが18位。さらに「アナウンサー」「歌手・アイドル」となると、もっと下位です。
つまり男子小学生から見ると、
 
「テレビに出ている人」より、
「ネットに出ている人」のほうが価値が高い
 
ということですね(もちろん、かぶっている人も多いですが)。
ここで思うのは……
 
テレビ界、この先大丈夫か?
 
もっとも、M-1グランプリが放送された今週調査していたら、また違った結果だった可能性はありますね。
 

女の子の憧れは「パティシエ」が断トツ

 続いて女子のランキング。
 
2019年女子トップ10 
  • 1位  パティシエ
  • 2位  保育士・幼稚園教諭
  • 3位  看護師
  • 4位  医師
  • 5位  花屋
  • 5位  ファッション関係(同数)
  • 7位  パン屋
  • 8位  漫画家・イラストレータ
  • 9位  動物園の飼育係
  • 9位  歌手・アイドル(同数)
 
「パティシエ」を挙げた女子は、なんと全体の11.3%女の子の10人に1人がなりたがっているんです(男子のユーチューバーは5.8%)。この大人気、2001年からずっと続いているといいます。
 
ちなみに女子だと、ユーチューバーの順位は16位タイ
突出して人気がある感じではありません。
 

30年前は「サラリーマン」も"人気の職業"

 今回の公表のオマケとして学研は、ちょうど30年前(平成が始まった年です)の調査を再掲しています(調査母数などが違うため、「厳密な比較は難しい」と但し書きがあります)。
1989年の小学生がつきたい(つきたかった)職業。
 
1989年男子トップ10 
  • 1位  プロ野球選手
  • 2位  一般サラリーマン
  • 3位  プロ野球選手以外のスポーツ選手
  • 4位  警察官
  • 5位  パイロット
  • 6位  公務員
  • 7位  大学教授・研究者
  • 8位  まんが家
  • 9位  小・中・高校の先生
  • 10位  エンジニア
1989年女子トップ10 
  • 1位  保育士・幼稚園教諭
  • 2位  小・中・高校の先生
  • 3位  看護師
  • 4位  歌手
  • 5位  ファッションデザイナー
  • 6位  一般女子事務員
  • 7位  音楽家
  • 8位  美容師・理容師
  • 9位  商店経営
  • 10位  まんが家
 
「一般サラリーマン」「一般女子事務員」(なんちゅう表現だ!)のランクインについて学研は、背景に当時の
 
 
を推測しています。「普通の会社勤め」でも”カッコ良かった”ということです。
 
そうだったのか~
 
なお当時はユーチューブはおろか、インターネットすら一般的ではありませんでした。
それからJリーグも創設前ヨーロッパリーグの日本人サッカー選手なんて、奥寺康彦さんは別格として、夢のまた夢でした。
 

「公務員」になりたい理由

 30年前も今年も、しっかりトップ10入りしている職業の1つ「公務員」
でもこれ、子どもの憧れとしては、ちょっと違和感ありますよね。
 
「パティシエになって、おいしいケーキをみんなに食べさせてあげたい」
「ユーチューバーとしてみんなの注目を集めたい」
 
というのは納得するんですけど
 
「公務員として、役場の窓口で、市民の皆さんをお待たせしないようにしたい」
 
なんて、子どもは普通思わないよなあ。「官僚(国家公務員)」ってことか?
 
まあ、皆さんも想像していると思いますが、これはたぶん親御さんの影響
「安定している職業だから、将来は公務員になりなさい」みたいに普段言われている子が、素直にそう回答しているんでしょうね。
 
「身分」より「仕事内容」に憧れようぜ、子どもたち。
 
そういうのが大人になって、「公務員という身分」を優先するから、「天下った先輩に情報を漏らす」なんてことをしちゃうんですよね(前総務次官のことです)。