【香港で学生拘束】「自己責任」振りかざす日本人が迎える未来は
香港で、抗議行動に関連して日本の学生が拘束されました。
こういうことが起きると、ネットは元気です。
毎度おなじみ、「自己責任論バッシング」。
でもこれが行き過ぎると日本人は、自分で自分の首を絞めることになり兼ねないと思うんですよね。
逮捕された学生の顔写真までさらす?
当局に逮捕されたのは、香港を旅行中だった東京農業大学3年生、井田光さん(21)。
17日夜、学生たちと警察の衝突が続く香港理工大学の近くで、身柄を拘束されました。
抗議活動に参加していたのではなく、単にデモの様子を見ていただけと報じられたこともあり、ネット上はお決まりのバッシングの嵐。
- 香港にいた時点で自己責任。大学で何を学んでいるのだろう。
- 遊び感覚でデモ見に行ったのかな? そうだとしたら自己責任だわな(´・ω・`)
- 大根踊りでも踊ってたのか?
ツイッターではこんな感じ。
一方、"悪乗り"のブログも多数。たとえば
という、「東京の某国立大学大学院博士前期課程修了 出版社勤務を経てフリー」の方が運営されている「育児ブログ」では
現段階では、香港のデモに参加して逮捕された東京農大の
男子学生である井田光さんの顔画像は公開されていませんが、
分かり次第追記します。
と、可能だったら顔写真をさらし、社会的制裁を加えかねない始末。何様のつもりなんでしょうね。
ただ確かに井田さん、不注意だったし、安易だったんだろうとは思いますが。
「自己責任論」の歴史
この手の騒ぎが起きたとき、ネット民が持ち出す錦の御旗、「自己責任」の4文字。
これを専門に研究している社会学者を、以前取材させていただいたことがあります。シリアで日本人ジャーナリストが、武装勢力に拘束されたころでした。
教授によると、自己責任という言葉は1990年代の「金融ビッグバン」がきっかけ。
"ハイリスク・ハイリターン"の個人向け金融商品が次々と登場して、
「運用は自己責任で」
なんて言われ、これが広がったそうです。
その後、日本人の若者がイラクで人質になるなどした際、一気に定着しました。
「生活が苦しいのも自己責任」
研究の一環で教授は、いろんな対象者に聞き取り調査をしていました。そこで、こんなことがわかってきたそうです。
- 貧困層には「生活が苦しいのは、自分にとりえがないからだ」と考える人も多い
- 富裕層は「自分が成功しているのは、自分が優秀だから」と考える傾向が顕著
つまり、日本人は
「貧富の差が生まれるのも、自己責任」
と考えがちだというんですね。
これがどんどん進むと、どうなるか。
「いじめに遭うのも自己責任」
「職に就けないのも自己責任」
「年金がもらえないのも自己責任」……
弱者に冷たい、いや~な社会になってしまう。
だから、「自己責任」という言葉が広がりすぎるのはどうかと思うんです。
すみません、きょうはちょっと難しかったですね。
わかりにくかったらごめんなさい。
ツイッターも始めてみました。
まだ右も左もわからず、設定もいい加減ですが、フォローいただけると嬉しいです。