小骨チェーサー

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100日後のワニに何が起きた?全13コマからわかることまとめ

2020年3月20日

マヤ暦とかインド暦で言うところの「人類滅亡の日」は(とりあえず日本時間では)やってきませんでしたが、もう1つの「終わり」は、定め通り来てしまいました。

 

ワニくん、死す

 

※本日は全面的にネタバレです。よろしければ、埋め込んであるツイートをご覧になってからお読みください。

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ネット騒然!ワニくんの最期 

ご存じない方のために野暮を承知でご説明しますと、ネット上で話題になっている漫画の話。タイトルも

『100日後に死ぬワニ』

去年12月12日から、漫画家でイラストレーターのきくちゆうきさんが、ご自分のSNS(ツイッターとインスタグラム)で毎日"連載"していた4コマ漫画

1日目はこちら⇩

 

 

主人公はワニの若者。お母さんに抱かれた幼い子を、思わずあやしちゃうような好青年。

人間と同じようにバイトをしたり恋したり、ラインやゲームを楽しんだり、親友のネズミくんとラーメンを食べに行ったり……なんて日々を99日間続けていました。

 

それはもう、びっくりするくらいごく当たり前の、どこにでもいる若者の日常。

たった1つ普通と違う点は

「3月20日に死ぬ」という運命が決まっていたこと。

ただし登場人物、じゃなくて登場動物は、ワニの余命(毎日「死まであと〇日」と記されていました)に限りがあることは知りません。

 

反響は半端なし。

投稿先であるきくちさんのツイッターは、いま確認したら、フォロワー数なんと217万人

ニュースサイトがたびたび採り上げるわ、きくちさん本人がワイドショーに生出演するわと、もはや「社会現象」と言っていいような状態になっていました。

 

というわけで、ぼくも気になっていたんです、100日目。

 

最終話は……それまでは1日当たり4コマ1作だったところが、4コマ3作+大きな1コマというグレードアップバージョンでした。

 

 

「死」をテーマにした作品の多くがそうであるように、全13コマ中には、ワニが命を落としたことを直接示す表現はありません

だから様々な解釈が成り立つわけで、まさにそういうところは、一流の芸術作品のすばらしさですよね。

 

あなたなら、この最終話をどう読み解きますか?

ネット民が目を付けた漫画内の表現を拾い集めるなどして、13コマから読み取れることをまとめてみました。

皆さんが鑑賞する際のヒントにしてみてください。

 

13コマに散りばめられた"謎"

 

4コマ1作目

  • 2コマ目。ネズミの電話相手はワニだと思われる。反応がないということは、この時点でワニは既に?
  • 3コマ目。5人でお花見に来たはずなのに、おにぎりが4つしかないのはなぜ?

 

4コマ2作目

  • 1コマ目。赤信号待ちのネズミの後ろには黄色い車(後に登場する赤い車ではない)
  • 2コマ目。ネズミがいるのは「百景坂交差点」と判明
  • 4コマ目。ラインで送った写真と「よくね?」のメッセージに「既読1」。読んだのはワニ?
  • 同じく4コマ目。「プップー」とクラクションを鳴らされたのは誰?

 

4コマ3作目

  • 1コマ目。右上にちょっとだけ見えるのは横断歩道か?ただし、その横断歩道と思しきところを「赤い車」が走っているように見えないこともない
  • 2コマ目。ワニが登場する唯一のコマ。日刊スポーツの解釈だと、「ワニがヒヨコを歩道に押し出した」。ただこのときすでに、ワニが車道に横たわっているように見えなくもない。いずれにしても、1コマ目で車道(グレーの路面)にいたヒヨコは、2コマ目で歩道(茶色っぽい路面)に動いている
  • 4コマ目。ワニが持っていたと思われるスマホのライン画面。「スゲー!!」「春に来たって感じ~」と投稿したのはワニ?また、ネズミがさっき打ち込んだはずの「よくね?」がないのはなぜ?

 

大判1コマ

  • 青信号の下方に見えるのはたぶんヒヨコ。つまり、ここは3作目の舞台
  • 信号の表示は「百景坂交差点」。ネズミが信号待ち中に桜の写真を撮ったところと、ワニやヒヨコがいた場所は同じ交差点
  • 「交差点」とあるものの、交差している側には歩行者用信号しか見当たらない。ワニ・ヒヨコ・ネズミの位置関係は?

 

なお3日目でワニは、赤信号を渡っているヒヨコをトラックから間一髪で救っています(これが最終話の伏線だったという説あり)。 

 

 

両方のヒヨコは「同一鳥物」なのかも気になるところ。

 

『100日後に死ぬワニ』のテーマとは?

この漫画で何を訴えたかったのか、きくちさんは各所で語っています。

でも、「作者の思いを超えて、自分なりの何かをつかむ」ということも、芸術作品を鑑賞する醍醐味の1つですよね。

この週末、「生と死」についてじっくり考えるきっかけにできるかもしれません。

 

……ごめんなさい。〆がきれいにまとまり過ぎですね。

 

最期までお付き合いをありがとうございました。

次回の『小骨チェーサー』も、ぜひ読みにいらしてください。