ヘイトスピーチ禁止条例成立で、改めて考える「右翼」「左翼」世界との差
【これ知ってるとニュース通】
こうなるといろんな意見が噴出。 個人的には思うところもたくさんあるんですが、 それはとりあえず脇へ置いておいて。
今回改めてクローズアップされた「右翼」「左翼」という言葉、 これを採り上げます。
こんな日本だけの“特殊事情”がある、という話です。
語源はフランス革命のころ
日本語の「右翼」はRight Wing、「左翼」はLeft Wingから持ってきたもの。
まるっきり直訳ですね。
そのライトとレフトのウイングはどこに由来するのか。 これはご存知の方も多いでしょう。
フランス革命のころのフランス国民議会。
議長から見て右側に、王制を守ろうとする勢力が、左側に、 市民中心の政治をしようとする勢力が座ったのがルーツだというの が定説です。
「右」が「保守」、「左」が「革新」
旧体制の維持を掲げる「右」と、新しい枠組みを志向する「左」
この対立軸は、現代にもそのまま引き継がれてきました。
チョー大雑把ですが、政治の世界を2つに分けると
「右」
「左」
なんてイメージでくくると、だいたい間違っていないのでは。
最近のヨーロッパでは、 外国からの移民を規制したり追い出したりしようと訴える、過激な「排外主義」の勢力が、支持を伸ばしています。
フランスの女性、ル・ペン党首が率いる「国民連合」 などが代表的。
ああいうのは「極右」と呼ばれます。「極めて右」 ということですね。
「右」が「改憲」、「左」が「護憲」
日本の右翼と左翼も、 中心的な考え方は世界の他の国と変わりません。
ただし唯一違うのが
憲法に対する向き合い方
です。
「これまでのものを維持する」のが保守=右翼ですから、 国家でいちばん大事な法律、憲法についても「変えるな(護憲)」 と叫ぶのが右翼のはず。
実際、世界の他の国々はそうですね。
でも、日本は正反対。
記者会見でたびたび「改憲を自分の手で成し遂げる」 と話す安倍総理は、バリバリ保守(右寄り)の政治家。
それから右翼の街宣車にはよく、「憲法改正」 などと書かれていますよね。
一方で共産党など、世界的に見ても「左翼」の代表格が、「護憲」 を訴えています。
どうしてこうなのか。理由はこうです。
実は右翼の人たちがやりたいのは、「憲法を改正する」 というより、それによって「以前の憲法の精神に戻す」ことなんですね。
その意味で「伝統を守る」、 つまり保守の姿勢とは矛盾していないことになります。
「右翼と左翼」と「改憲と護憲」のねじれ、覚えておいて損はないですよ。