小骨チェーサー

世の中を斜めから、でも前向きな目線で見るブログ

ブログを始める心境を書くのに『土佐日記』を持ち出したワケ

1000年以上前の平安文学風に気取って言えば、こんな心境。

「男も女もすなるブログといふものを、IT音痴もしてみむとしてするなり」

   

 

きょう追いかけたこと
  • なぜここで『土佐日記』を持ち出したくなったのか
  • ブログを始めるのは「お仕事の幅を広げるため」

さっそくですが冒頭の一文。ご存知、土佐日記の書き出しのもじりです。

 

男もすなる日記といふものを 女もしてみむとしてするなり

 

紀貫之(きのつらゆき)という平安時代の官僚が、赴任先の高知から京都へ帰任するときの道中日記。中学校ぐらいの国語の授業で習った記憶があります。

 

なぜ誰にでも身近な一文なのか

 

「誰にでも身近」と言えそうな一文なので、確認してみました。

この文が、それほど多くの教科書に採用されるだけの特徴とは何か

 

f:id:Kobone:20191027154403j:plain

紀貫之 【『イラストAC』より】

 

まずは、男性である作者・紀貫之が、自分を女性に見立てて書いたという特殊なシチュエーション。これはよく知られていますよね。

もう1つが、文法的特筆事項です。

「す(動詞)」+「なり(助動詞)」の組み合わせが2回出てくる……「男もすなる」の「すなる」と、文末の「するなり」……のに、それぞれで意味が違う

ポイントは助動詞「なり」のほう。実はこの単語には

  1. 「~という」「~だそうだ」
  2. 「~である」

という2つの意味があって、1は「終止形」に、2は「体言」とか「連体形」に付くのがルール。「すなる」は前が終止形の「す」だから「するという」の意味、「するなり」は連体形の「する」に付いているから「するのである」となる理屈。

 

こうしてみると、古文の授業にはもってこいの題材

だから中学生以上の日本人なら誰でも、どこかで耳にしたことがあるんです。

 

それはさておき。

では、なぜぼくは、ブログを始めようと思ったか。

 

 やってる人、多いもんなあ……

 

これはもちろんあります。ネットで調べ物をしていたら、答えはどなたかのブログにあったなんて、いまや日常茶飯事。

ただぼくには、個人的な理由があって……

 

仕事の幅を広げておいたほうがいいよな

 

 なんてことを考えたのでした。

 

ネットで発信するためのウォーミングアップ

 

 私事ですが、ぼくはメディア業界の片隅で長く禄を食んできました。ニュースの深掘りとか、注目の話題とか、映像の解説とか、まあそういうものを書くことで生きてきたわけですが、ウェブのお仕事にかかわったことは、ごく僅かしかありません

その僅かにしても、ぼくの役割は、取材してきたものを文章にするだけ。ネットに上げるための体裁を整える作業などは、すべて同僚任せ。SEOだとか何だとか、ぼくとしてはまるでノーケアでした。

 

ネット全盛の時代、こんなことじゃいけねえな

 

 ネットで発信することに慣れる、という目的に、ブログはぴったりそうです。

お金だってかからないし。

 

それにしてもブログって、どう書けばいいんだ……?

 

 その研究成果は、次回。