資格試験勉強に「パン屋さんのイートイン」が絶対不向きなワケ
「ママ、今度の日曜日、〇〇ちゃんちで勉強することになったよ」
娘が妻に言っています。
誰でも覚えがあることですが、この
「友達といっしょに勉強する」
というのは
「友達と遊ぶ」
というのと同義語。
まず100%、勉強は目論んだ通りには進みません。
「学問とは孤独なものである」
というのがぼくの持論。本当に勉強するなら独りでやるべし。
そしてわが妻よ、それはキミだって同じだぜ。
秋は大人も勉強する季節
「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」なんて言葉、今どきほとんど聞くこともなく、もはや『死語』みたいになっていますが
“資格試験の秋”
というのはどうも言えるみたい。10月から11月にかけては、各種の検定だとか国家資格とかの試験が目白押しなのだそうです。
「時間がぜんっぜん足りない!」と嘆きながら、ウチの妻もある資格試験に向けてにわか勉強中。
「家でやると、かえって家事のこととか気になっちゃって集中できない」と、駅ビルにあるパン屋さんで問題集を開いているようです。
パンを選びトングでトレーに載せ、コーヒーなんかといっしょにイートインスペースで食べられるってタイプの店。
「この椅子、空いてたらお借りしていいかしら?」
と妻に話しかけてきたのは、ミドルからシニアといった感じの女性グループ。妻によると、午後3時ごろのこの手の店には、そういう世代の女性5~6人組が、ほぼ必ずいるといいます。
以前ぼくは当ブログで、「平日午前中の区立体育館は、シニア世代で一杯」と書きましたが……
午後はそれより少し若い世代が、連れ立ってお茶しに行くんですね。
「あたしこの前、韓国行ったのよ。食べ物でも何でも、やっぱり本場のもの味わいたいじゃない?」
「そうよね~」
“リーダー格”と“そうよね隊”
グループのリーダー格は60代後半くらいの女性。こざっぱりとしたジャケットなどを着込み、この“女子会”への並々ならぬ気合が感じられたそうです。
「あたし、韓国語がちょっとだけしゃべれるでしょ? いま日本と韓国仲悪いから、向こうでは韓国人のふりをしないとね~」
「そうよね~」
交わされる会話の8割は、リーダー格の発言。そして残りの皆さんがしゃべることと言えば、ほとんどが「そうよね」。
「あたしね、向こうでタクシー乗ったら必ず韓国語で『私、日本人だと思う? 韓国人だと思う?』って聞くの。
たいてい『日本人でしょ』って答えるわよ。やっぱりわかるのね、日本人って」
「そうよね~」
「そりゃ、あなたがそう聞くから運転手さんも気づくんでしょ」と、心の中で突っ込みを入れる妻。
グループは2時間以上居続けるらしいですが(ちゃんとパンを買い足したりして、お店の迷惑は考えてあげているそうです)、妻が言うには、途中で帰ったり、後から参加したりするメンバーもいるそう。ただリーダー格だけは、ずっと座りっ放しなんですって。
思わず突っ込まずにはいられない…
リーダー格の『韓国旅行記』は続きます。
「それでね、地元の人が行くような店で食べた、本場のあれがおいしかったのよ。そうよ、あれ。え~と、なんだっけ……そうそう、フォー」
それ、ベトナム料理ですから……。
夜、わが家。
「その観察力には敬意を表するけどさ」と、ぼくは妻に言いました。
「で、試験勉強ははかどったの?」
「……う~ん……」
教訓。
勉強はやはり、家で孤独にやりましょう。