小骨チェーサー

世の中を斜めから、でも前向きな目線で見るブログ

「西暦2020年」「令和2年」の今年 イスラムは何年?ユダヤでは?

突然ですが質問です。

いま何年ですか?

 

別に記憶を失ったわけでも、タイムトラベルをしてきたわけでもありません。

3日前2020年になったばかりですが、それは「西暦」での数え方。世界にはいろいろな「暦」があり、それぞれ「いま何年なのか」が違います

中には、「元年は天地創造の年」なんて、スケールの大きな暦もあるんです。

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そもそも「西暦」とは?

いまの「西暦」は1582年10月15日に、その日を「1582年10月15日」と決めてスタートしました。当時のローマ教皇・グレゴリウス13世が制定したので、グレゴリオ暦と呼ばれています。

それ以降、カトリック教会は

  • 4で割り切れる年は、2月29日をつくる
  • ただし、そのうち100で割り切れる年は、2月29日をつくらない
  • ただし、そのうち400で割り切れる年は、2月29日をつくる

というパターンで暦を設定。便利なので他宗派や国家もだんだん採り入れるようになり、世界中に広まって、とりあえず2020年までは続いています。

 

ちなみにグレゴリオ暦以前は、あの有名な帝政ローマの将軍、ユリウス・カエサルジュリアス・シーザー)が制定した「ユリウス暦が、なんと1600年以上も使われてきました。

 

さて、グレゴリオ暦がスタートした1582年、極東の島国で何が起きたかというと……

おお、本能寺の変だ!

もちろん日本の人たちは「1582年」とは言わず、天正10年」元号で呼んでいたことでしょう。

 

そもそも「元号」とは?

令和が始まるころ、元号について専門の学者さんに取材する機会がありました。

初めて元号が使われたのは、紀元前2世紀・前漢の時代の中国。この学者さんによると元号には、皇帝が国だけでなく「時間」も支配していることを示す意味があったといいます。

 

日本では、よく知られているように、645年からの「大化」が元号第1号

その後「お祝い事があるから改元」「災害が起きたから改元などと、数年くらいで変更されるケースも多発しました。

ただし明治以降は「一世一元」、つまり「1人の天皇に1つの元号と定められています。大化から令和まで、その数は248です。

 

本家中国も廃止してしまった現在、元号を使用しているのは、世界で唯一、日本だけ。「元号不要論」を主張する人々も、一定数いるようです。

考えてみれば現代における元号「その天皇になって何年目か」を示すに過ぎず、なくても生活に困ることはありません。

 

ぼくはどちらかと言うと左寄りの考え方をする人間ですが、にもかかわらず個人的には元号はあってもいいんじゃないかな」と思っています。

1375年もの長い間ずっと伝わってきた、日本のアイデンティティですからね。これから何世紀も途切れることなく、子々孫々に継承していってほしいものです。

 

世界のいろんな"暦"

以下の例は、単にググって見つけただけではありません。

やはり令和に改元されたころ、各国の駐日大使館など関係各所に、ちゃんと確認したものです。

 

北朝鮮……主体暦

「チュチェれき」と読みます。今年は「チュチェ109年」です。

ご存じのように北朝鮮は、金一族が世襲支配する特殊な国家なので、暦も彼らを神格化したもの。

現在の金正恩委員長の祖父で北朝鮮建国の祖、金日成主席が生まれた1912年が元年となっています。

 

イスラム諸国……ヒジュラ暦

預言者ムハンマドが、拠点としていた都市・メッカで迫害を受け、信者たちとメディナへ移住したことを、イスラム世界では聖遷(ヒジュラと呼びます。

この年(西暦622年)を元年とするのが「ヒジュラ暦イスラム暦)」です。

 

ヒジュラ暦では現在、1441年。ぼくらが言うところの8月に、1442年がやってきます(だから記事の最初で、「今年は何年?」ではなく、「いま何年?」とお聞きしました)。

 

この暦は月の満ち欠けを基準にした純粋な太陰暦太陽暦であるグレゴリオ暦とは1年に11日ほど、33年で約1年分のずれが生じるため、多くのイスラム諸国では、両方の暦を併用しているそうです。

 

タイなどの仏教国……仏暦

イ・カンボジア・ラオスなど東南アジアの仏教国で使われる暦。

お釈迦様が亡くなった(入滅)したとされる年=紀元前544年、またはその翌年を紀元とします。

タイの場合は太陽暦を使用。2020年はタイ暦2563年になります。

 

仏教では「入滅(ニルヴァーナ)」は、煩悩から解脱するための重要な境地

仏暦の紀元がお釈迦様の「誕生」ではなく「死亡」なのも、その辺りと関係があるのでしょうか。

 

ユダヤ暦

ユダヤの人たちの暦では、現在5780年

では紀元、つまり5779年前に何があったのかというと

 

天地創造

 

なんです。

旧約聖書『創世記』によると、「神」は最初の日、天と地を創ったとされます。

その日を、聖書内の記述などから割り出した結果

 

紀元前3761年10月7日

 

だったことがわかったというんです。

 

ちなみに曜日を計算すると、この日は月曜日。「神は7日目にお休みになった」とあるのが日曜日のルーツですから、曜日のめぐりもピッタリですね。

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天地創造(実写ではありません。イメージです)※『写真AC』より

 

天地創造の日付がわかっているって、すごくワクワクしませんか?

ロマンあふれる、というか。

もちろん学術的に見れば、意味がないんでしょうけど(たとえば中国古代文明の発祥は、紀元前5000~4000年前。つまり「天地創造以前」ということになってしまう)。

 

ぼくら日本人がずっと、「元号」というものを保ってきたように、

ユダヤ人など各民族にも、それぞれ大事にしてきた"文化"がある。

 

そんなことをお伝えしたくて、今回の記事を書きました。

 

次回の『小骨チェーサー』も、ぜひ読みにいらしてください。