【新型肺炎】報道がずっと下火にならない「メディア側の事情」
この騒ぎ、いつになったら収まるんだろう?
ぶっちゃけ、そう思っている方もたくさんいらっしゃいますよね。
何のことかって、新型肺炎です。
新聞もテレビも、トップは連日連夜このニュース。
いろんなイベントも、軒並み中止となっていく……。
語弊を承知で言いますが、みんなナーバスになりすぎていませんか?
そして。
日本中をそうさせた根源であるメディア、彼らがこのニュースにこだわり続けているのには、それなりの事情があるとぼくはにらんでいます。
見えない恐怖……ウイルス
「猛威」だと言い過ぎですが、確かに「脅威」ではあります。
耳に馴染みの薄い名前。
ワクチンや治療法はまだ手探り。
"発生源"となった中国の死者は2500人超。
相手は目に見えないウイルスで、いま現在元気な人でも感染していないとは限らないから、不安は広がります。
でも、世間がここまで敏感に反応するとは……ちょっと意外でした。
地域レベルのイベントは次から次へとキャンセルされ、あの大掛かりな大会、東京マラソンも規模縮小。
あろうことか、即位後初めての天皇誕生日なのに、一般参賀も中止になってしまいました。きっと陛下自身のご意向もあってのことなんでしょうね。
先日など、ある会社にお邪魔する用があったのですが、出かける直前に先方から電話。
「お願いがあります」と言うので何かと思ったら、
「必ずマスクをしてきていただけますか」
そのマスクだって、菅官房長官が「増産させてます」と豪語したのに、店先にはちっとも並びませんね。
「需要の量が、増産分をはるかに上回っているから」というのが理由だということですが、本当かなあ。
交通事故のほうが怖いのでは?
敵が"ウイルス"という「得体のしれないもの」だという恐怖はあります。
しかし、冷静に考えてみましょう。
新型コロナウイルスは、どの程度おっかないのでしょうか。
国内で感染が確認されたのは、2020年2月23日午後9時の時点で838人。
ここで比べてみたいのが、交通事故の死傷者数。
警察庁の統計によると、2019年の1年間で亡くなった人は3215人。けがをした人が46万1775人、合わせて46万4990人。
これを365で割ると、1日に約1274人が交通事故に遭っていることになります。
数字の上では新型肺炎より、交通事故の方が危険なんです。
しかも感染者838人のうち、約83%に当たる692人は、例の『ダイヤモンド・プリンセス号』に乗っていた人。
感染源不明の患者が出ると、報じ方もセンセーショナルになりますが、実際にはその人数は、ほんの一握りに過ぎません。
結局はメディア次第
マスクが町から消えても、1億3000万人のうちのわずか800人が感染しても。
もしメディアがこれほど大きく採り上げなければ、新型肺炎もここまで話題にならなかったでしょう。
なぜメディアは、これに飛びついたのか。
ぼくはニュースの世界で、20年以上働いてきました(現在は別分野へ異動)。その目から見て、新型肺炎がらみの話題が毎日トップニュースになり続けている理由は、予想するに2つです。
①他のニュースがない
よく「ニッパチ」と言いますよね。
2月と8月。
小売り業界や飲食店の売り上げが落ちる月です。
実はあれ、メディアも一緒。この2つの月は、ニュースのネタを埋めるのに苦労するんです。やはり社会が、ちょっと停滞するからなんでしょうか。
その空いたところへ、新型肺炎の問題がスポッとはまったということです。
生活に密着した話題でもあるので、PV数や視聴率も稼げているのではないでしょうか。
②紙面や放送時間が、すんなり埋まる
- 新たに判明した感染者の情報
- 政府の対策会議の様子や、打ち出された方針
- 自治体や大企業の対応
- 中国の最新の数字
などなど、その日の動き(「本記」と言います)だけでも、けっこうなボリュームになります。
そのうえ、
- 中止になったイベントに参加するはずだった人の声
- 自家製マスクの作り方
- 欧米各国への意外な余波
なんて感じで、「サイドネタ」も作りやすい。デスク陣があれこれ頭をひねらなくても、ニュースとしての体裁を整えやすい話題なんです。
メディア側もそろそろ縮小したい?
とはいえ、各紙や各番組もさすがにネタを出し尽くし始めたころ。「持久戦」の様相を呈してきました。
だからメディア関係者も、新しい大ニュースが起きるのを、喉から手が出るほど待ち焦がれていることでしょう。
それで新型肺炎のニュースが、2番手になり、3番手になり……となれば、世の中はようやく元に戻って行くのではないでしょうか。
たとえ、感染者数が減らなかったとしても。
卒業式のシーズンまでには、晴れの日を迎える人たちのためにも、下火になっていてほしいですね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回の『小骨チェーサー』もぜひ読みにいらしてください。