小骨チェーサー

世の中を斜めから、でも前向きな目線で見るブログ

東京五輪「2年延期論」が"名案”だと思うワケ

「現実的なのは、開催を1~2年延期すること」

 

東京五輪・パラ組織委員会の理事が、新型コロナウイルス拡大で、この夏のオリンピック開催が難しくなったら」のこととして発言したものです。

 

3.11の当日でなければ、もっと大きなニュースになっていたであろう爆弾発言。

組織委の会長・森喜朗元総理も「火消し」に躍起です。そりゃそうでしょうねえ。

 

でもぼくは、これを真剣に検討してみてもいいんじゃないかと思っています。

理由は、それこそコロナでボロボロになった日本経済です。

f:id:Kobone:20190222010415j:plain

IOCの得意技「ちゃぶ台返し」 ※イラストACより

 

「五輪延期」論の中身

"トンデモ発言"をしたのは、組織委の高橋治之理事。元電通の専務で、オリンピックなど国際的なスポーツビジネスに精通している方だそうです。

 

アメリカの経済高級紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の取材に答えました。

趣旨は、

新型コロナウイルスの感染拡大で東京五輪を中止、または無観客開催するのは、経済的損失があまりに大きい。といって1年未満の延期は、アメリカの各プロスポーツや、ヨーロッパサッカーの日程と重なる

というもの。

 

とはいえ来夏はスポーツイベントのスケジュールがおおむね固まっているため、「延期の場合は2年後のほうが調整しやすい」という考えを示したといいます。

 

そうなったらすごいですねえ、2022年

冬のオリンピックがあって

夏のオリンピックがあって

サッカーのW杯がある

うっわ~!

 

「五輪延期」日本経済のためには歓迎?

 日本経済のことを考えてみると、東京五輪

2年延期されたら「助かる」

ってことはありませんか。

 

コロナのせいで、学校は休校、働くお母さんたちも休職を余儀なくされています。

イベントは何もかも中止(センバツやコンサートなど)

または延期(プロ野球やJリーグなど)

もしくは無観客(大相撲など)。

外国人観光客は激減し、ホテルなどはどこもガラガラだと聞きます。

 

日本経済はボロボロです。

ここで、東京五輪・パラを予定通りの日程で開催したとします。

 

元々、「今の景気はオリンピックまで」と言われているわけです。

”祭が閉幕”すれば、コロナに痛めつけられた日本経済、弱り目にたたり目というか、泣きっ面に蜂というか、どん底まで落ちてしまわないのかと心配になります。

 

だったらここは、「祭」そのものをまる2年先延ばしすれば、

 

"コロナ危機"から回復するリハビリ期間

 

を、日本経済に与えてやることができませんか。

 

2年あれば、いろいろな展開が可能です。

チョー突貫工事でこしらえた新国立競技場だって、その他の競技施設だって、すみずみまで配慮の行き届いたものにできます。

個人的には、ハコモノで経済を潤すというやり方は嫌いですが、今のピンチを切り抜けるためには目をつぶらざるを得ない

 

以上、シロートの見立てなので自信はありませんが、株とか経済の方面に詳しいはてなブロガーの皆さん、いかがですか?

 

「五輪延期」なら影響半端なし

 ただし本当に延期されたら……いやあ、どうなっちゃうんだろう?

 

幸運にもチケットを入手できた人は、その権利を2年持ち越しってことになるんでしょうけど、引越その他で手放さなくてはならない人も多いかもしれません。

 

ホテルとか都内の交通規制とかは、マルッと予定組み直し。

各競技の会場も、改めて予約をし直す必要が出てきます。

選手村跡地のタワーマンションを購入した人は、2年間の仮住まいを探さなくてはいけません。

 

選手選考も頭の痛い問題。

競技によっては代表が内定し始めていますが、

そのままで2年後も戦えるかどうか

選手生命にとって「2年」は大きい。引退間近の人もいるでしょうし、ピークを過ぎてしまう選手も出るでしょう。

男女のマラソンなど、すごく劇的、かつ、日本中が納得できるような展開で代表が決まりましたが、今後日本新記録が出たらどうする?

MGCをもう1度やるのかな

 

そして。「2年延期」をいちばん嫌がるのは、いろんなオジサンたちだと思います。

 

組織委の森会長は現在82歳。

7月生まれだから、2022年夏の開催だと85歳になります。

その年齢まで激務をしていただくのは忍びない。

 

開会式での土俵入りを熱望していると言われる、横綱白鵬

しかし最近は1場所おきに休場、力士としてはどう見ても下り坂。

あと2年も綱を張り続けるのは、世間も横審も許さないでしょうね。

 

そしてそして、安倍総理。そもそも招致のときから

「フクイチの汚染水は完全にアンダーコントロール

なんて大見栄を張ったりして、オリンピックへの思い入れが強い。

任期は2021年の9月までです。どうする自民党? また党則を改正する?

 

カードを持つのはIOC

突然飛び出した高橋理事の爆弾発言に、怒り心頭の森会長。

「(IOC会長の)バッハさんが『火に油を注ぐようなことはやめてほしい』とおっしゃっていたが、私に言わせれば『ガソリンをぶち込むようなことは、高橋さん、やめなさいよ』ということだ」と話しました。

高橋理事も「口が滑った」と謝罪したそうで、この話、とりあえずは収まった形です。

 

ただしオリンピックにおいては、大事なことの決定権は

組織委よりもIOCのほうが大

バッハ会長も現時点では「日程変更などない」という態度みたいですが、あの組織

ラソン会場をいきなり鶴の一声で、札幌へ持ってっちゃった人たちだからなあ……

 

kobone-chaser.hatenablog.com

 

今回だってIOCは、突然何を言い出すかわかったもんじゃない。

五輪延期の「心の準備」だけは

しておいたほうがいい……のかな?

 

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

次回の『小骨チェーサー』もぜひ読みにいらしてください。